皆さんはお薬手帳を使ってますでしょうか。。。

今回は薬剤師の視点からお薬手帳に関してお話をしようと思います。薬剤師さんの理解が深まれば幸いです。

そもそもお薬手帳を使う事のメリットは何でしょうか。

これって結構面白くて、お薬手帳を紹介するときのメリット説明の仕方も薬局ごとに違ったりするんです!!!

大まかに

①記憶に頼った薬の頼み間違いを防げる。

②医師や薬剤師に薬や症状の説明を何度もする手間が省ける。

③お薬手帳を薬局に出した際にお会計が安くなる場合がある。(以前はお薬手帳を出したらお会計が高くなるなんていう時代もありました。)

④緊急時に自分が使っている薬を正確に医療従事者に伝えることができる。

とまあ思いつく限りではこんなところでしょうか。

順に説明していきます。

①患者さんが先生にいつもの薬を頼む時ってよくあります。でもふとした拍子にいつもと違う病院にかかった時にいつも飲んでいる薬を頼む時があります。医師によっては親切心で何か他に必要な薬ありますか?なんて聞いてくれる先生もいます。

例えば患者さんがいつもガスターを飲んでるから先生にガスターをお願いします。ところがガスターと一言で言ってもガスターには10㎎や20㎎といった規格があります。普通錠もあればD錠(口の中で溶けるタイプ)もあり、もしかしたらガスターと思っていた薬はジェネリックだったなんてこともあります。

お薬手帳を持ち歩くようにしていれば先生に見せて、これをお願いしますって頼めば解決です。

②「なんでさっき病院で言ったことをまた一からあんたに言わなきゃいけないんだ、こっちは辛いんだよ早く薬をくれよ。」

薬局で働いている薬剤師さんなら一度はこんな感じの台詞を言われたことがあるのではないでしょうか。いつからどんな薬を飲んでいるのか時系列でわかれば同じことを繰り返し聞くような手間は多少なり省くことができます。例えば手帳が無い状態だと、「今日はお風邪の症状でしょうか?」位広く浅い質問しかできませんが、手帳があれば、

「記録を見させてもらいましたが○日前から風邪のような症状でしょうか。痰きりが今日は減っているので症状は少し落ち着いてきたのでしょうか。」みたいにかなり状況から絞り込んだ質問ができます。

③現在お薬手帳を出すことで安くなるのには一応理由があります。くどいようですがお薬手帳が無いと、患者さんに今使っている薬や、過去にどんな薬を使っていたかなど嫌がられるのは承知で聞かなければなりません。そうすると時間や手間がかかるので、お薬手帳を持ってきていただけたらその手間や時間が浮いた分安くできる。というものです。

手帳があると併用薬の確認をしないといけないから高くなる。みたいな変な理屈が通っていた時代よりは筋が通っていますね。笑

一応断言しておきますが、

併用薬や副作用の確認は薬剤師の義務です。笑

(ちなみに大手チェーン薬局では、制度が変わる可能性を考慮し、お金の話は患者にはしないようにと指導をしている薬局もあると聞きます。)

④これはよくわからない方もいたと思うのですが想像してみてください。事故にあったり何かの発作で救急車に乗っている自分の姿を。そんな時救急隊の人や救命医はわかる情報を頼りに最善の治療を行います。

そんな時に役にたつのがお薬手帳の頭書きの部分です。

お手帳の最初のページ(いわゆる頭書きの部分)は大体のものが名前・住所・連絡先・副作用歴・アレルギー歴・血液型まで書く欄があります。

あなたがしゃべるのも辛かったり、意識がないような非常事態の時はお薬手帳だけがあなたの情報を医療従事者に正確に伝える唯一のツールになります。←ここ大事です笑

かなり前から言われている関東直下の大きい地震なんかもこれを実践するとしないとでは違いが出るかもしれませんね。少なくとも何もしないよりははるかに良いと思います。

これらのメリットを患者さんにきちんとわかってもらえれば手帳は無くてもいいという患者さんはかなり減るかと思います。

今回は細かい数字などは敢えて省いてお伝えしました。何か質問などあればお答えいたしますのでお気軽にご連絡くださいませ。

少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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