薬剤師ならこの辺の違いはさらりと言えて当たり前だとは思いますが、念のため一般の方にも向けておさらいしましょう。

先発品は文字通り先に発売された薬の事です。薬を発売するには成分としての特許や製法としての特許や用法の特許があるためおよそ10年位は他のメーカーさんは先発品と同じ成分の薬は発売することができません。新成分を開発するのに何百億も企業はお金を投入しているのでこの期間に元をとります。。。。

これが先発品

そしてその特許が切れると他のメーカーも同じ成分の薬を販売することが可能になります。特許代も開発費もかからないのでその分安い薬を販売できます。(正確にはジェネリック医薬品は値段の決められ方にルールがありますが、それはまた今度。)

これがジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品はあくまで成分が同じなだけで、薬が体の中で溶けるのを助ける崩壊剤や、成分同士をくっつける為の結合剤、錠剤の周りを覆うコーティング剤などはメーカーごとに違います。

この違いが患者さんがたまに言うジェネリックに変えてみたら体に合わなかったという根拠になる部分ですね。これらの添加物が合わなかったのかもしれませんね。(プラシーボ効果も多分にあると思いますが。)

話を戻します。先発品メーカーさんもジェネリック医薬品に台頭されると売り上げが落ちてしまって死活問題になります。

そこで登場したのがオーソライズドジェネリック(以下AG)です。

例えば先発品のメーカーさんが系列会社を設立して、その会社に先発品の成分を作る権利(製法の特許なども)を譲渡することで、同じ製造ラインで用法や添加物まで同一のジェネリック医薬品を他のメーカーより180日も早く販売できるようになります。系列会社といっても元は同じお財布なので、ジェネリック医薬品だと収益は少なくなりますが、他のメーカーさんのジェネリックにシェアを奪われるくらいなら売り上げが少しくらい落ちても良いという考えですね。

それに前述の添加物の問題も完全にクリアされているため、現実的にみても薬剤師からすれば患者さんに勧めやすいジェネリックと言えます👍

個人の体感としては10人に1~2人位の患者さんはそれでも体に合わないから先発品に戻してと訴えられるので、やっぱり治療にはメンタルって大事な要素だなって思わされます✨

そんな時は理屈では無いので、もちろん快く先発品に変えますよ😊

国は医療費削減をうたっていますが、何でもかんでもジェネリック医薬品に変えるようごり押しするのではなく、何よりも患者さんにとって最善の治療を提案できるような薬剤師になりたいものです。💦

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