スタチン系と聞いて真っ先に思い浮かぶ副作用ってありますよね。

そう、「横紋筋融解症」です。

この病態では定義として横紋筋融解症の診断には、筋痛や脱力といった症状、CK (CPK)の基準値の10倍以上の上昇、そしてミオグロビン尿(ミオグロビン値の上昇)が重要になります。

国家試験で腐るほどやった新人薬剤師さんとか特になんですけど、今回の記事のテーマにもあるとおり、一部の薬剤師さん、服薬指導の時に横紋筋融解症の事をがっつり説明しすぎではないでしょうか💦

というものです💨

例えば「この薬を飲むと横紋筋融解症って筋肉が溶けちゃう病気になっちゃう事があるから、薬を飲んで異変を感じたらすぐに病院に行ってくださいね😯

↑これ60代のパート薬剤師さんが言っていてちょっと驚きました。言っている事は間違っていないかもしれないけど。。。ちょっと盛りすぎじゃないですか❓💦💦💦

と、言う事で自分が今回の主張をする根拠は2点あります。それは、

①発症頻度

②患者さんのアドヒアランスの低下

です。

まず①。国家試験とかだとスタチンと言えば横紋筋融解症‼‼‼‼って反射的に出るくらいやりましたが、この副作用って実際はどのくらいの頻度で発症するかご存知でしょうか。

ある後ろ向き研究の結果を調べてみたところ、↓

本邦の後ろ向きの解析では、新規にスタチンを投与された18,036人の患者のうち、筋障害の診断があったものが23人、血液検査にてCKが10倍以上の上昇を認めたものが16例、両方認めたものが4例であったとしています(Chang CH, et al. BMJ Open, 2013; 3: e002040)

→要するに可能性があるって人を含めたとしても確率的には0.2%位なんです。

そして②。これはさっきのパートの60代の薬剤師さんみたいに、薬剤師さんの言い方や、患者さんの受け取り方によっては無駄に怖がらせてしまい患者さんが服薬を断念してしまう事があるので、そうなる位ならいっそのことそういう説明をしないほうが良いんじゃないの?ってことです。まあ僕がさっきの説明をうけた患者さんの立場なら、「この薬剤師何言ってんの?そんな怖い薬飲みたくないけど。。。コレステロール高いって言っても少しだし飲むのめんどくさいし別にがっつり飲まなくてもいいかな。。。」って思います☠笑

ただ、注意しなくてはいけないこともあります。それは横紋筋融解症は場合によっては命にも関わる疾患なので、すごく稀だとはわかっていても患者さんの耳に入れておかないと兆候を見過ごしてしまう危険性もあるということ。

以上の事から僕はスタチン系を初めて使用する患者さんには、

「可能性的には0.何パーセント位のすごく稀な副作用なんですけど、もしおしっこがコーラみたいに真っ赤になったり、運動してないのにひどい筋肉痛みたいになったら念のため内科さんを受診するようにしてくださいね☺」

みたいに言うようにしています。これなら患者さんが怖がって治療から離脱してしまう事もないし、専門的な難しい言葉を使わずに万が一の保険もかけるよう心づけ?できます。もちろん横紋筋融解症に関する指導せんもシートにゴムで括り付けてますよ。万が一の時に薬剤師が何も説明して無いってなってしまったら最悪なので😅笑

最後に、スタチンって日本人が発見した薬って知っていました?まあ結局そこから薬になるロスバスタチンを単離して医薬品にしたのはアメリカの科学者さんなのですが🥺それを知った時なんとも日本人らしい薬だなあって思えてスタチンに親近感が湧きました💖笑

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